酷暑の学校

多くの学校が、夏休みとなり、先生方はほっとしているのではないでしょう

か。それというのも、今年の夏は連日の35度越えの猛暑で、熱中症が学校現場

で最大の不安要素でしたでしょうから。とうとう、小学校で熱中症による死者

が出てしまいました。いろいろな報道で学校への風当たりが強くなってきてい

るような気がします。

 

まず、学校のエアコン設置率の低さで学校側を責める向きがありますが、これ

は学校側はどうすることもできません。設備、備品に関しては公立学校の場合

市の予算の管轄ですから訴えるべきは、市当局です。学校サイドは、市当局に

対して発言力は弱いのです。

 

また、学校の先生は、新しい学習指導要領になり多忙感に拍車がかかっていま

す。本来、先生は、子どもたちに「知徳体」の生きる力を教えることに専念し

てほしいのに、もろもろの雑事に追われているのが現状です。今回の死亡事故

では、いろいろ言われています。たとえば、校外学習から帰校後、すぐに保健

室に連れていくべきではなかったか、というもの。それはまっとうな意見で

す。ただ、熱いというだけでエアコン目当てに保健室へ行こうとする子供たち

がいることも事実ですので、担任側の目利きが必要になってきます。今回は、

担任の目利きがうまくできなかったことの悲劇ですね。

 

今回の事件で、学校が事なかれ主義になってしまうことを憂います。たしか

に、学校は、子どもの健康、安全を第一に考えなければなりません。しかし、

必要以上に、~しなくてもよいという安易な発想に陥らないようにしてほしい

と思います。学校は、教育の場なのですから。先生方にとって酷暑の場となら

ないためにも。