ハラスメントについて

学校でのいじめ問題、これはずっと続いている解決策のない課題です。しかし

最近は、これが学校以外のところで問題となる事案が多々報道されています。

いわゆるパワーハラスメントです。今回の女子体操部の案件では、二重のパワ

ハラ構造を示しているように見えます。今回特異なのは、被害者と思われる女

子選手が、加害者であるコーチを擁護していることです。パワーハラスメント

は立場を利用したいわゆるいじめなわけで、本人が嫌悪感を示していないはど

うなるのでしょうか。ただし、たたくなどの体罰あるいは物理的言動があっ

て、端から見ていて、気分の良くない場合は、パワハラではないのかと言う思

いをもたれる場合はあるかもしれません。ですから今回の場合は、パワハラ

いう言葉の定義や概念とは違った内容なのかもしれません。そういう意味では

塚原夫妻の言動がパワハラと断定する方がわかりやすいような気がします。と

ころで、スポーツの世界でパワハラ云々というのは、他の世界とはちょっと違

うものがあるのではないでしょうか。自分が心から信頼する師弟関係にパワハ

ラという概念が存在するのかと思えてしまいます。はっきりいってよくわから

ない。別の言い方をするなら、それぞれの世界にはそれぞれの感覚があると言

うことでしょうか。「こんなこと言ったりやったりしたらパワハラといわれ

ちゃうからなあ」などと言いながら情熱的な指導はできないでしょう。もちろ

ん、もちろん時代は変わっているわけで、情熱的指導が金科玉条パワハラ

むなしなどとは思いませんが。でもこれから、スポーツをはじめとしていろい

ろな熱く濃い人間関係が、今回のことで薄く淡泊なものにならないようにと思

います。繰り返しますが、いくら私が昭和生まれだからと言って、様々なハラ

スメントを肯定しているわけでは決してありませんから。最後に、モラルハラ

スメントという言葉があります。上から下へのハラスメントがパワハラなら

ば、優位的立場を持つ者で同じレベルあるいは下から上へのハラスメントをモ

ラハラというようです。どうもテレビを見ていると、パワハラ報道をする記者

やコメンテーターの言葉がモラルハラスメントであるような気がしてなりませ

ん。もう、いじめは子どもだけの世界だけではないのです、やっぱり。