断捨離

年齢が60歳に近づくと、「終わった人」世代の私たちは、これからの生き方

を考えるようになります。いわゆる終活です。その終活の一つが断捨離である

といえましょう。断つ、捨てる、離れる。なかなかできるようでできません。

私はこの夏、自分の趣味であるCDコレクトの断捨離をしました。これまで集

めてきた数千枚のCDとレコードを処分したのです。全部で段ボール箱で50

箱以上になりました。といいつつも、やはり最後まで捨てがたい、最後まで

迷っているものをえらんで5箱残ってしまいました。家族は、1箱にまでしろ

というのですが、思い切ることができません。コレクションというものは、そ

れを手に入れたときの思い出が付帯しているので、なかなか機械的に断捨離が

できないと言うことを改めて知りました。ただ、大幅に整理し、CDラックも

処分すると自分の部屋が広くなったこと。CDと同時にいろいろな本も整理し

たので、床の広さが印象的です。ものを買う、手に入れるという楽しみは、

買っている、手に入れたときがピークでそれ以降は、下降線です。いわゆる脳

内にドーパミンが出る状態なんでしょうね。その時の興奮状態が忘れられず

に、同じ事を繰り返し、ものがたまる一方となるのでしょう。CDに関して

は、今の人は音楽を聴く手段としてはネット配信を利用するのでしょう。でも

私らの世代は、レコード、CDです。ジャケットも商品の一部ですし、曲目の

配列も意図的なものでした。ですから、アルバムやケースを愛でながら聞いた

ものです。また、やっかいなことに、ボーナストラックが入っている、リマス

ターされ音が良くなっていると情報を聞きつければ、何度も買い換えたもので

す。私は、プログレが好きなものですから、同じ内容で再発のCDが何枚もあ

ります。プログレはその傾向が多いようです。先ほど、残した5箱の多くは、

やはりそのジャンルでした。

断捨離をしたといえばかっこはいいのですが、どうやらめめしい独り言になっ

てしまったようです。