羊と鋼の森の姉妹

 

羊と鋼の森 Blu-ray豪華版

羊と鋼の森 Blu-ray豪華版

 

 

前に取り上げた小説です。私は映画の方が印象に残っているので、映画版を中心に書い

ていきます。主人公を取り巻く人々の中に、2人のピアニストを目指す姉妹がいまし

た。演じるのは上白石萌音と萌歌の実際の姉妹です。最近、ますます活躍している二人

ですよね。見た目から、お姉さんの方が線が細く、妹はラフな感じに演じていました。

実際小説でもそう記述されていました。妹の萌歌さんは、最近まで放映されていたドラ

マ「義母と娘のブルース」で娘役を演じていましたね。明朗快活でまっすぐな性格、羊

と鋼の森と同様な役作りでした。実際の上白石姉妹はどうかわかりませんが、見た感じ

は、先に書いたような印象を与えます。

 

話を戻して、~の森では、見る者を意外に思わさせる事実がありました。毎日、ピアノ

の練習をしないと心配でならない姉とピアノの練習をせずにコンクールに臨む妹の対照

的な二人。ピアノコンクールで、突然指が動かなくなってしまったのは、姉の方かと思

いきや妹の方だったのです。つまり、活発な妹の方が、姉よりもずっと繊細で神経質

だったのです。そのことがわかった場面で、私は最初はやはり意外な気持ちでしたが、

その後、そういうことってあるよなと思い始めました。我々が知っている人でもいます

よね。石橋をたたいて渡るようなイメージだった人が結構肝っ玉が据わっていたり、逆

に豪放磊落に見える人が小心でさびしがりやだったりとか、見た目と実際が違う場合

が。私の娘二人もそうですね。見た目は、~の森に出てくる姉妹と同じで、簡単に言っ

て姉が陰で妹が陽。周りは、妹を強い子だと思って相応に対します。妹の方は、そうい

う風に見られていると思い、その役割を演じます。しかし、何かの折、意外なところで

妹の神経の細さが露呈して、周りがおろろとなることがありました。もちろん、人間の

性格は単純なものではありません。複雑なものです。でも、人は往々にしてイメージで

判断して応対し、その後ドラマが発生していくものなんですよね。そういう経験を通し

て私たちは、人とのつきあい方の社会勉強をすることになるのだと思います。羊と鋼の

森の姉妹に対するように。