下重暁子:極上の孤独

最近話題となっているこの本を読みました。著者の下重暁子さんの生き方から

学ぶことが多い本です。本の中にこうありました。

 

「淋しい」と「孤独」は違う。話し相手がいないから淋しくて、孤独。そんな安直なものではないはずである。淋しいとは一時の感情であり、孤独とはそれを突き抜けた、一人で生きていく覚悟である。(中略)淋しいといえる段階はまだまだ甘い。淋しさを自分で解決しようという気はなく、誰かが何とかしてくれないかと他人に頼っているからだ。

なるほどと思いました。

私自身を振り返ると、孤独を愛する人間だとずっと思っていました。しかし、

生活が変わり、一人暮らしを始めると、どうにもやりきれない気分がします。

結局は、周りに人がいることに甘んじて一人になりたいと嘯いていた、単なる

淋しがり屋だったことに恥ずかしながら今気がついています。それは、私だけ

ではなく皆そうなのかもしれません。

 

下重さんのような生き方はなかなかできません。人を頼りにせず孤独を恐れず

楽しむ、という生き方は。しかし、こうも考えます。今の時代人とのつながり

が希薄になっているからこそ、SNSでのやりとりを最重要視する人たちが増え

ている。たとえ表層的なつきあいといえど、人間は一人では生きていけない生

き物ということがわかる。ならば、もっとダイレクトに人にぶつかり、生身の

つきあいをするべきだ。そうすれば、連帯も孤独も両立できるのでは。

 

そう言っているようにも感じます。私には、孤高の生き方はできませんが、で

も人とできるだけフェイストゥフェイスで関わり、来るもの拒まず去る者追わ

ずの精神でいきたいと思います。

 

極上の孤独 (幻冬舎新書)

極上の孤独 (幻冬舎新書)