見つめていたい

原題は、Every breath you takeでポリスの名曲です。

 

この日本題名は歌詞に再三登場する、I'll be watching you から採ったものと思われます。

内田久美子さんの日本語訳から、最初の1フレーズを掲載します。

「君が息をするにつけ、行動を起こすにつけ、束縛を断つにつけ、歩みを進めるにつけ、僕は片時も君から目を離さない」

スティングの曲、詞が素晴らしく、またPVも白黒の荘厳な作りになっており、今から35年前に作られたとは思えない完成度を誇っています。

当時は、私にとって究極のラブソングでした。

しかし、スティングいわく、「とても悲しい時に書いた」「不潔な歌だ」。

奥さんとの不和をテーマにしたものであったことを私が知ったのはだいぶ後でした。

 

恋しているときは、相手の一挙手一投足が気になり、恋の結晶作用を起こすものです。それこそ、あなたのそばにいないときにでもあなたをみつめていたい、と。

けれど、相手への猜疑心が生まれた時、同じ言葉でも内容が違ってきます。

嫉妬に狂った男は、ストーカー気質で相手を追い続けるでしょう。

離婚協議中の場合は、相手に不利な証拠を見つけようとするでしょう。

 

私が、言葉の面白さ、興味深さを覚えるのは、こういった場合です。

 

スティングは、歌詞にそういうブラックな二面性を持たせようとしたわけではないと思います。

でも一筋縄ではいかない彼のこと、私のように甘いラブソングだと思って浮かれている人に、あのにやりとした顔で、「そう感じるならそれでもいいさ」と心の中で思っているかもしれませんね。

 

 

 

ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・スティング&ポリス

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