笑点の大喜利を見て笑いたい
私は結構好きで、日曜日の5時半は気がつくと、チャンネルを合わせています。視聴者
は、やはり年配の方々が多いのでしょうか。年齢層の割合を知りたいものです。この大
喜利というのは、まさに日本の伝統芸能といってもいいのではないでしょうか。もう、
水戸黄門のように予定調和の世界です。それぞれのキャラクターが立っていて、必要な
ときに、その人が、笑いをとってくれるという安心感の中で成り立つ世界です。大昔か
らそういうものだったと思います。お題に対して、それぞれの個性で返していく。でも
最近見ていて思うのは、駄洒落や親父ギャグでその場を凌ごうとする場面が多く、残念
だなということです。もちろん、答えの一つとしてはありです。そもそも、駄洒落や親
父ギャグは立派な言葉遊びだと私は思っており、ボキャボラリーと恥がなければ人前で
いえるものではないのです。言うまでもなく、日本語のダブルミーニング性で、ある世
界から別の世界へ展開させることは、快感ですらあります。でも、天下の大喜利で披露
するのは、市井で交わされるものと同じレベルでは困ります。前司会者の桂歌丸は、日
本語をもっと大切にしなくてはいけない、とよく言っていたということですが、我が意
を得たりです。お題に対して、ひょいと受け流すしゃれがあってもいい。時局ネタで風
刺を効かすのもいい。下ネタで笑いをとることだって下品にならなければいい。でも、
いずれにしても、言葉っておもしろいなあ、いいなあと思わせてくれなければ意味ない
と思うのです。そこが、伝統芸能だと言ったゆえんなのです。ところで司会を春風亭昇
太にしたのは正解でしたね。彼のいじられキャラが、他の出演者との一体感を醸し出し
ています。三遊亭円楽がしっかりと出演者の中で存在感を発揮していて、安心感があり
ます。そうそう、円楽がまだ出たての頃、受けなくて苦労していたときに、歌丸が、そ
んなときは自分をいじれ、と言ってくれたそうです。彼の腹黒キャラがあるのも、歌丸
のおかげなのですね。
大喜利が、さらに内容が充実され、世代を超えて受け入れられ、長寿番組として続くこ
とを願っています。