姉と妹というもの(羊と鋼の森パート2)


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過日、「羊と鋼の森」の紹介をしました。今回は、その中で重要な役割を果たす姉の和音と妹の由仁、双子の姉妹について書いていきたいと思います。

 

和音は、線が細く多少神経質、毎日ピアノの練習をしていないと不安にかられてしまう。対して、由仁は明るく屈託がなく、ピアノの練習はしないときにはしないが、天才肌の面がある。

 

対照的な二人ですが、発表会で突然、ピアノが弾けなくなってしまうのは由仁の方でした。弾けなくなったのは和音の方ではないかと最初、思わせられました。実際、原作でも映画でもミスリードさせるように描かれています。

 

そこで、「えっ!あの明るい妹の方が、精神的なストレスがあったの?」と意外な思いをするわけです。実は、妹の方が姉以上にナイーブであったことがわかります。

 

そういえば、この作品の最初の方でも、そのことがわかるエピソードが出てくることに、気がつきます。(「もう少し明るい感じの音に…。」)

 

私には、二人の娘がいます。双子ではなく、4歳年が離れています。姉は、自他共に認める社会性のなさと、オタク気質で、自分の世界で生きています。対して妹は社交的で、世渡り上手というイメージがあります。

 

 ですから、妹の方は一人でも生きていけるだろう。でも、姉の方は、今後が心配、という風に思っていました。しかし、いろいろなことがあり、実は妹の方は、快活さとエキセントリックな性格を隠れ蓑にして繊細で臆病さを人に見せないようにしていたことがわかるようになりました。

 

一言で言うと強がっていたわけです。それに対し姉は、不器用ながら愚直さで、地固めをしながら前進していたのです。一ついえることは、娘たちはお互いにある時は反面教師として、ある時はリスペクトしながら、自分自身を見つめてきたのだろうと。

 

話を戻し、和音と由仁姉妹にも同じことがいえます。あるときは、ライバルあるときはフォロワーとなるかけがえのない存在。それを上白石萌音と萌歌がとても感動的に演じてくれました。

 

この姉妹だけでなく、この作品に登場する人たちの人間模様を考えると、人生のすべては人との関係性で成り立っていることを感じます。

 

ですから、前にも書いたようにこの作品は、調律師をモチーフとして万人に共通した生きることに希望を与えてくれるのだと思います。ちょっとおおげさですけれど。

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